新米をライスセンターより持ち帰り収納を終へし老い二人の秋

田園の稲穂実りて黄金色豊作願ふか今年の秋も

朝顔の今朝も五色の花咲くに「おはよう」と声をかけて見る我

野菜作りに健康願ふ日々なれど鹿は初仕事に大根を食ふ

外は雨気分転換にと道行けば黄水仙の花咲き乱れをり

冬迎へ南天の実は真紅なり夢を持てよと告ぐるがごとくに

白菜は今年も固く結球し宅急便にて子等に送るも

秋祭りにあいにくの雨子供達はお神輿の前に手を合はせをり

秋深し薩摩芋掘りて孫達へ今日は届けむ故郷の味と

畑打てば白菜の苗が届き来てそれを植ゑをり涼しい朝に

高温の日々続き居り我が家でも熱中症を案じて畑に

馬鈴薯の蔓の枯れ来て暑い中「男爵」早々掘りて帰れり

真珠とも見紛ふ真白き卯の花は初夏を告げをり山路に咲きて

連休に都会より帰りし孫達は木々の緑に深呼吸する

余寒なほ去り難き里作東の「かわず桜」の緋色は春告ぐ

豊作の白菜大根を収穫し漬物となす例年通りに

待ち居りし玉葱苗の届き来て丁寧に植う豊作願ひ

コスモスの花咲き乱るる畦道に暫し佇み手を触れてみつ

白菜の苗の来たりて畑に植う肥料を入れて水を遣る日々

ロンドン五輪大活躍の愛ちやんよ「お目出度う」そして「有難う」

紫陽花の薄青色を眺めをり心憂きこと慰さめくれむと

世界一高いと言はるるスカイツリー楽しみて待つ上がれるわが身を

節分に柊手折りて鰯刺し玄関に立てて願ふは安泰

霜降りて厳寒続く庭先に?梅の黄色春をば告ぐや

こぶし咲く丘に登りて祈る我東北の人々元気を出してと

純白の山芍薬は露浴びて三輪咲けり初夏讃ふるごと

被災地にも勇気与へて優勝す「なでしこジャパン」数数の賞

早々に新雪積れる我が村に南天の実のみ赤々輝く

白梅の小枝を手折りて生けたればひねもす部屋に芳香放つ

四国路は晴天なりて清清し夫と祈りつつ八十八ヶ所の旅

晩秋の空晴れ渡りて友集ふ童心にかへりて「傘寿同窓会」

朝早く裏山に鳴く鶯の「ホーホケキヨ」の声ひびくわが里

孫娘の結婚式に夫と行き雪の富士山車中より見つ

秋深み黄トランペットは花盛りエネルギッシュに無数に咲きて

「せんとくん」は活躍しをり鹿の角二本に奈良の全てを表はし

秋深み稲穂の日毎色づけば取り込むまでの不安と喜び

正装のジューンブライドの孫娘祝福を受けて新夫に寄り添ふ

ストレッチの体操の輪が広がりてサロンへ行く日を楽しみに待つ

野も山も緑滴り藤の咲く雨多き年ぞ晴天を待つ

幾度もおこりしハプニング乘り越えて高橋選手の栄光への道

鏡野の短歌大会に参加してベテラン揃ひの秀作に学ぶ

節分に福は内ぞと豆撒きす家族みんなの健康願ひて

宝塚「ベルサイユの薔薇」を観劇しリフレッシュせり夫の同窓会にて

萩の花泉のほとりに秋を告げかなかなかなと侘しき蜩

草刈に終わる日々よ雨降りて「立秋」のことばを新鮮に聞く

イルカショー童心に帰りて楽しめり素晴らしい演技に拍手喝采

ゴロゴロと俄かに雷鳴轟けば家に飛び込む草刈りを止め

今年また黒大豆の苗作らむと赤土を入れ五箱に蒔きたり

都会より孫らは帰りて賑はへり新緑に映ゆるゴールデンウイークを

天使のごと真白に咲ける白木蓮高きにありて我を励ます

新年を風邪ひかぬよう努めしがつひに発熱す節分の日に

墓地移転をやうやく終へしは師走なれど法要の日には親族集ひぬ

秋深き奈良公園に群るる鹿擦り寄り来たりて煎餅欲しがる

神神しき出雲大社の神前に幸ひ祈るも子や孫のこと

ループの電機柵効果現はれて無事収穫したる貴重なる米

軒先の巣にて育ちし燕の子今朝五羽揃ひて巣立ち行くなり

日中を酷暑に耐へしか朝顔は朝露浴びて競ひ合ひ咲く

田植ゑ終へし水田の畦に電気柵猪鹿等は侵入禁止ぞ

行く春を惜しむが如く山桜ひとひらふたひら今日を散り果つ

残雪の千種スキー場は寒かれど数百株の水芭蕉の花

美しき川を願ひて置く土手の環境美化のパンジーの花

早朝に酔芙蓉の花白く咲き午後三時には薄桃に装ふ

軒先の巣にて育ちし燕の子今朝五羽揃ひて巣立ち行くなり

薄緑の風船かずらが風に舞ふ手に触れ見ればマシュマロのやう

残雪の千種スキー場は寒かれど数百株の水芭蕉の花

栗山に咲きゐし笹百合幾本を部屋にさしをりその香楽しみ

道の辺の薄紅の梅の花芳香放ちて重なり合ひて

新年の恒例なれる院展よ「すごいな」と言ひ見る人の波波

幼き日童心育てしお手玉をリビングに置きリハビリ楽しむ

福寿草大寒の朝をもこもこと土の中より春告ぐるなり

初雪や作北の山銀色に光輝く樹氷のごとく

師走なるトワホールのイルミネーション幸多かれとや夜空に輝く

晩秋の米子道ゆく寒き朝蒜山三座は雪冠りをり

憧れの飛騨高山の雪景色連続ドラマ「さくら」に魅せられし月日

ストレスの積りし日日よ一筋の光求めて旅に出で行く

旱魃にて雨待ちゐしが朝の雨生気溢れて緑鮮やか

大阪のゴッホ展には人の波名画に親しみ学びし良き日

台風の過ぎ去りし朝菜園の青紫蘇の花白くかはゆし

日本のエーゲ海なる牛窓よ波静かにしてヨット浮く見ゆ

師走初めなほ積りゆく初雪に檀の朱実が見えつ隠れつ

きらきらと朝日に映ゆる霧氷なり雑木も梢も山も煌き

雨上り固き蕾の福寿草五本見えをり庭先に今朝

黒豆を作らむと苗育てしが移植なし得ず雨降り続きて

前庭に五色に咲ける朝顔は朝露のせて夏たたへをり

小豆島の「岬の分教場」と青き海二十四の瞳館の映画に涙す

外は雨気分転換にと道行けば黄水仙の花咲き乱れをり

歩くこと一番大事と知り乍ら暖房に頼る弱き我なり

春雨を待つかの如く沈丁花庭の隅にて密やかに咲く

卯の花は純白にして清楚なり山裾に咲きて初夏を告げつつ

紫陽花の真白に咲きて丘の上の「バレンタイン」の初夏の彩どり

台風の何事もなく通り過ぐ神仏の加護か豊作祈らむ

 山下三代子 作品集