手の甲に浮かびているはしわくちゃよ過ぎゆく日々の年輪のごと
老いの身が時代の流れに背伸びして踏台持ちてついて行きをり
試合ひかへゲートボールの練習す容赦なく照る太陽の下
城崎の外湯めぐりで子や孫と湯船につかりて家族の絆
むし暑き真夏の夜の空見れば流れて消ゆる星の幾つよ
秋まつり笛や太鼓に囃されてかつぐ若手の大みこしかな
寒くても木鎌片手に枝木こる薪で炊く風呂我が家の宝
甘さ増す干柿狙ふ鴉二羽今日の見張りはゴム風船よ
水汲みの桶をかつぎて孫娘昔の人の強き力知る
七十路を登り初めて我は今夫と二人で農に励むか
桜咲き家族仲良く花を観る手作り寿司の味は最高
五月晴れに歓声響く体育祭春日に焼けた元気な生徒
玄関の夫婦狸の置物が見守つてゐる家内の安全
挿木して大事に育てて蕾つけみごとに咲いたトランペットの花
「七五三」の五歳を迎へてすまし顔はかま姿の腕白坊主
大雪に腰を痛めて病める身に今夜も北風ガラス戸叩く
縁側で孫娘の作るお手玉よ手先きようにころがり出るや
体育祭大玉転がしリレーにと元気な児童未来に羽ばたけ
炎天下あせを流して草を引く取れども勝てぬは畑の雑草
里芋の親芋とりまく小芋のごとく自然のままに育ちて欲しかり
荒尾登志ゑ 作品集