リハビリとて眠れる足に鞭うちて二メートル余進む杖を頼りに
帰省せる曾孫に与ふるお年玉こぼるる笑顔よあの子もこの子も
つたかづら垣根にそひいて新芽立つ春の息吹に満ちいるごとく
温泉帰りの粟井川の上に蛍飛ぶぴかぴかぴかぴか貴重なる光
幼き時を育てし孫の嫁ぎたる花嫁姿を裡にとどめむ
日一日と寒さやはらぎこの昼をのぶる日射しの縁側の猫
光井つや子 作品集