捨て置きし花壇に花花芽を出しぬあをき命に詫びゐる吾か

八十一の吾が誕生日忘れずに嫁の手料理孫の笑顔よ

寝たきりに近き身となり障子張る時間かかりても気分爽やか

金木犀はわが隠居部屋の鼻の先風吹くたびに香り満ち来ぬ

小鳥等も食生活は安心か雪が降れども南天赤赤

何事も腹八分目をよしとせむ米寿の近き齢となりて

 木曽 道江 作品集