いつまでも長生き出来ると思ひゐてルーツを求むる時のなかりき

ぢいちゃんと曾孫に言はれひざに乗す八十路の我は幸せ者よ

木枯しに部屋暖めて龍誌読む大正生れの至福の時間

たっぷりの湯に今年の垢を流しきり健康なるを神に感謝す

海軍にては背丈の高き我なりしが孫にはかなはじ嬉かれども

今少し活力欲しき老いの身に柔軟体操始めてみたり

谷間よりうぐひすの声聞こえたり手押し車を押しゆく我に

 鈴木 正志 作品集