正論も無視さるる世にと変りしか水掛論となる果ての空しさ

夕づきて葉陰に見ゆる柚子の実の黄金に寒き雨足走る

こたつに入り豊けき眠りの面清し覚むれば反抗期の少女なれども

朝光に川辺の鷺の白冴えて祝ぎてくるるや初空に翔つ

 渡辺 信子 作品集