二月なるに小さきたんぽぽ二輪見つ土から春か風肌さすも

来し方の文才なきをおしのけて三十一文字に思ひめぐらす

降る雨に蓑まとひ早苗とり背中濡れゐし過去は遠のく

老いわれの唯一待ちゐしご詠歌の寺の集ひに紅引きて来ぬ

黄金波をコンバインはのみこんでわらをはきだしたちまち去りゆく

大雪と予報おありて明けやらぬ庭木にかかる雪をたしかむ

 野沢 老梅 作品集